社員同士で感謝を伝え合うザ・リッツ・カールトンのファーストクラスカード 離職率を減らす・改善する!社員のやる気を引き出す社内制度

日本をはじめ世界中にフランチャイズを持つ、非常に有名な高級リゾートホテル「ザ・リッツ・カールトン」

そんなリッツ・カールトンには、スタッフのホスピタリティー向上のために導入している制度があります。
それが「ファーストクラス・カード」と言われるシステムです。

今回は、そんなファーストクラス・カードのシステムを通じて、従業員同士を高めあうその効果と活用法について考えたいと思います。

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ファーストクラス・カードとは

リッツ・カールトンほどの大きなホテルになると、繁忙期にはかなりの忙しさになります。
そんな時は、ドアマンだからと言ってドアマンだけをすればいいのではなく、手の空いている時にベルボーイを手伝ったり、様々な仕事をこなすものです。

そんな時、リッツ・カールトンでは、手伝ってくれた従業員に対して、手伝われた従業員がカードを渡すのです。
そのカードが「ファーストクラス・カード」と呼ばれています。

これには「あなたはファーストクラスだ(最高だ)」という思いが込められており、言葉ではなくカタチに残るもので明確な感謝を伝え、互いに褒めあうために使われています。
これが、リッツ・カールトンのファーストクラス・カードの仕組みです。

ファーストクラス・カードの効果

一見シンプルな行為に見える、このファーストクラス・カードのシステム。
しかし、リッツ・カールトンではこのファーストクラス・カードを貰ったという事実がそのまま人事考査に反映されています。
そして、それだけではなく、「ファーストクラス・カードをあげた」という事実もまた、人事考査に関わってくるのです。

つまり、従業員同士で手伝ってあげたことも、それに感謝したことさえも人事考査においてプラスになるという事。

これにより、ホテル内での連携や、互いに助け合う精神が養われていき、結果それはお客様に対するホスピタリティーとして還元されるという仕組みです。
さらに、カードでのやり取りに関する情報が従業員食堂に掲示されます。
これによって、感謝された従業員にとってはモチベーションになりますし、いまホテル内でいったいどこの人員が不足しているかの目安にもなるのです。

この社内制度を中小企業の経営にどう反映させるか

この制度は複雑なシステムや高価な設備を必要としないため、中小企業でも導入しやすいものと考えられます。

その会社にとってのファーストクラス・カードを作り、人事考査に反映させられるかどうかは難しくとも、何らかのメリットを従業員に対して与えることで、会社内のモチベーションが向上することが期待できます
このメリットは、残業免除、有休を増やす、食堂のおかず1品サービス等、会社の文化に応じて様々な応用が考えられます。

また、頼られやすい従業員や頼りがちな従業員の把握のみならず、工場のラインにおいての効率を上げる、といった効果につなげることも視野に入れることができそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
「感謝」という目に見えにくいものを可視化し、社員のモチベーションや企業の改善につなげる事例には学ぶべきものがあります。

助け合いまたは褒めあうという行動に対してきちんと評価し、対価をだすこと。
そして、経営者はそのカードのやり取りの詳細を把握しておくことが大切です。
そしてそれは、きっと収益向上につながります。

社員同士の感謝の連鎖は、最期には経営者から従業員への感謝に変わることでしょう。

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