「神様を選ぶ権利」中里スプリングの好き嫌い経営とは?

顧客も取引先も仕事も、従業員でさえ好き嫌いで選ぶ。

そんな企業が存在したら、皆さんはどう思われるでしょうか。
きっと、そんな企業はうまくいくはずはない、とお思いになるでしょうが、実はそんな企業は存在し、そして企業としての実績も伸ばしているのをご存知ですか。

それが群馬県にあるスプリングメーカー『中里スプリング』
社員数20名ほどという中小企業にして全国に1600以上の取引先を持ち、洗濯ばさみから新幹線まで多種多様なスプリングを手掛ける優良企業です。

そんな中里スプリングの社長いわく「神様を選ぶ権利」とは一体何なのか、その実態に迫ってみます。

Contents

好き嫌いで決まる会社経営とは?

中里スプリングにおいては、その経営のすべてが好き嫌いで決まっています。
まずは雇用、つまり採用における基準も、社長の好き嫌い。採用したときに一番いい笑顔をしてくれそうな人間を選ぶという変わった基準を持っています。

そんな中里スプリングでも一番の特徴は何と言っても取引先についての決まり。
それは「一番頑張った社員には、嫌いな取引先との取引をやめていいという権利をあたえる」という、普通の企業倫理からはかけ離れた制度です。

つまり、そこにあるのは徹底した好き嫌いによる経営の選別

一見、企業経営というものを甘く見ているようなこの制度は、今の中里スプリングの堅調な経営とその盛況ぶりをみるに、労働者のモチベーションも含めて会社自体の価値をあげていることは事実なのです。

好きだから頑張るというモチベーション

よく仕事を好きになるという言葉を行きます。

もちろんそれが、社員のモチベーションを決定づける上で重要な要素であることは誰しも疑いようのない事ですが、普通それは会社内での努力によって満たそうとすべきものです。

しかし、中里スプリングでは、この仕事を好きになるというのを徹底して行っているのです。
つまり、いかに自分の所属する会社の職種や事業内容を好きでも、その外の企業との関係性や付き合いによって仕事を嫌いになるということさえなくしてしまおうというのです。

これが中里スプリングの社長いわく「神様を選ぶ権利」
この人を喜ばせたいと思う顧客と取引することによって、より良い仕事ができ、その成果をよりいっそう喜ぶことができる。

このサイクルが労働者のモチベーションの向上につながるという考え方です。
そして、もしその過程で取引先を失ても、社長自らが新しい取引先を見つけてくると言います。
これもまた「社長が社員を好きで、社員が社長を好きである。」という、好き嫌いに徹底した雇用を行っている中里スプリングだからこそできる、理想の形です。

ちなみに「社内の設備歳資材で好きなものを作れる権利」という制度も中里スプリングにはあります。
徹底して好き嫌いにこだわる中里スプリングの経営は、「社員の楽しいに答える経営」と言えるのかもしれません。

この制度を中小企業の経営に応用するには?

なかなか難しい事ではありますが、小さなスパンでこのヒントを活かすアイデアが色々と考えられます。
たとえば、仕事を好きになるもしくは好きでいるということを目標に、社員の配置換えや労働内容の変更に踏み切るのも一つの方法です。

中里スプリングも中小企業です。
この制度をどう反映させるかを考えたとき、一番重要なことは、この常識の範疇から出ている制度を採用するかどうかその踏切りの勇気を持つことではないでしょうか。

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