良い決算書と悪い決算書の特徴・読み方のポイントを押さえて経営に活かす

決算書、つまり財務諸表はある決められた期間の経営成績や財務状態を明らかにするものです。
そのため、これを適当に制作しているということは、会社の状態を適当にしか把握していないのと同じで、それは会社にとって決して良い状態とはいえません。
是非、良い決算書と悪い決算書の違いを知って、会社の状態をしっかりと把握できるようにしましょう。

Contents

良い決算書

1、数字が真実に基づき正確である

まずは一番の基本である、決算書に書かれている数値の正確性です。
当然粉飾や脱税はNG。それは、違法行為です。
特に株式会社において決算書とは、株主との信頼関係に直結するものなので、正確な数字を記載するのは当然の義務です。
前年比や会社の状況からみたおかしな数字の有無のチェックは、最初に必要なことです。

2、資産と負債・純資産のバランスが良く財政が安定している

負債とはいわゆる借金になります。
ですので、その負債を払い続けていけるのかという基準である純資産とのバランスは重要です。
このバランスがしっかりとしていて、債務超過などを起こしていない会社は安定した会社といえます。

3、収益力がある

収益力を判断するためには、その指標として一般的に売上高利益率が用いられます。
売上高利益率は損益計算書上の売上高を利益の額で割ることによって数値化することができ、この値が大きいほど収益力が高いといえます。
この値が高いということは、その会社の収益力が高いと判断しても構いません。

4、資金力がある

資金力は会社の安定性に直結するもので、普通、会社の資金力は自己資本比率で見ます。
自己資本比率は、自己資本÷総資本で導き出される数値で、この時総資本とは自己資本と他人資本の和で計算します。
一般にこの割合が高いほど自己資本比率が高く、倒産しにくい安定した会社といえます。

悪い決算書

1、数字が不正確

決算書における不正確な数字は、その会社の性格の不誠実さを表します。
前年比と比べて明らかに変化率のおかしい数字や等がある時、そこに何らかの正当な理由が見つからない場合、その数字は不正確なおかしな数字の可能性があります。
会社の経営状況にあまりにもそぐわない数字や前年度との変化は気をつける必要があるでしょう。

2、資産と負債・純負債のバランスが悪く財政が安定していない

いわゆる債務超過に陥っているような会社は論外で、それ以外にもあまりに極端のバランスを欠いている会社については要注意が必要です。
このとき、負債額と資産とのバランスが多少悪くとも、その会社が何らかの発展を遂げているようなときは問題ありません。
正当な投資としての負債なのか、それとも返せない負債なのかを、会社の経営状態を見て見分ける必要があります。

3、収益力(活動パワー)がない

会社の収益力を見るときには、前述の売上高利益率とともにROE(株主資本利益率)を参考にするといいでしょう。
これは利益の効率性を表す指標で、当期利益を自己新で割った数値になります。
この数値を、一般的に8%の水準で考え、これを割り込むような会社は、利益の効率性が悪い、すなわち活動パワーがない会社である可能性があります。

4、資金力がない

前述の通り資金力は自己資本比率で見ます。
自己資本比率は、会社の戦略性や業種によっても異なりますが、40%を超えると倒産しにくい企業とされます。
理想の自己資本比率は70%以上ですので、この水準を目指すべきです。

まとめ

いかがでしたか、良い決算書と悪い決算書の違い。お分かりいただけたでしょうか。
しかしここで記載したのはあくまで目安です。
会社の状況によって、数値の目安は変わってきますので、まずはしっかり会社の状況を把握するのが先決です。
そのうえで、一般的な数値と見比べることをおすすめします。

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